お子さんに対して歯医者さんの説明をする時、どのように伝えていますか?
「虫歯になったら歯医者さんに歯を削ってもらおうね!痛いんだからね〜」と説明していませんか?
実は歯医者さんは、痛いところでも怖いところでもありません。痛くならないために行くところなのです。
歯科衛生士・乃島みなみの連載第3回目のテーマは「歯医者嫌い」。子どもたちが歯医者さんに対して悪いイメージを持たないように、ぜひ読んでいただきたいです。
◇乃島みなみ◇
地域の歯科クリニックに35年間勤務する歯科衛生士。
「自分の家族のように患者さんに接する」がモットー。
「歯医者=怖い」は大人に刷り込まれたマイナスイメージ
歯磨きを嫌がるお子さんに対して「虫歯になったら歯医者さんに行くことになるよ。歯を抜かれたら痛いから、歯を磨こうね」といった説得をすると、お子さんは歯医者に対してマイナスイメージを持ってしまいます。
歯科クリニックに勤務する中で、歯医者嫌いの子どもたちをたくさん見てきましたが、「歯医者=怖い・痛い」というイメージは、クリニックに来る前から大人によって刷り込まれたものでした。
診察をしようとしても、泣いて嫌がっていては適切な処置をすることが叶いません。
どうか家庭では、歯医者さんへのマイナスイメージを安易に植え付けず、歯と口の健康のために必要な場所であることを、お子さんに正しく伝えていただきたいのです。
歯医者さんってどんなところ?
では、歯医者さんは何をするところなのでしょうか?お子さんにはこのように伝えてください。
・歯をピカピカにするところ
・美味しいご飯を食べられるように歯を元気にしてもらうところ
・上手な歯磨きがおうちでできるように教えてもらうところ
・歯に「フッ素」を塗ってもらい、虫歯にならないようにしてもらうところ
受診する方は、虫歯になってしまった方ばかりではありません。虫歯にならないように予防をするために通う方も大勢いる、ということをぜひ知ってほしいです。
定期的に歯科健診を
自治体ごとに行われる一歳半健診で、生まれて初めて歯科健診を受けるお子さんが多いと思います。
この時、虫歯予防のために歯の表面にフッ素を塗ります。フッ素には虫歯菌が作る酸の量を抑制したり、歯のエナメル質を強化する効果があります。
第1回・第2回のコラムでお伝えしたように、虫歯になりにくい歯を育てるためには、家庭での丁寧な歯磨きや規則正しい生活が不可欠。それに加え、半年に1回ほどの頻度で歯科健診を受けることをおすすめします。
近所に信頼できる歯科医院があれば、歯に関する日常的な悩みや歯磨きの仕方も気軽に相談しやすくなります。
お口と歯の健康は、よりよく生きるための土台です。勉強やスポーツ、美味しい食事、友達と遊ぶこと。それらの時間がお子さんにとって楽しく、健やかな成長に繋げるために、綺麗な歯を育てましょう。
(編集:佐藤愛美)