はしもと家には、4歳の娘と、1歳の息子がいます。
今回は、イラストの活動を始めたことで、上の娘に「好き」と伝えられるようになったお話について、書きたいと思います。
娘に「好き」と言われると・・
なんだか、娘が「好き」と言ってくれたから、空気を読んで「うん、私も大好き」と言っている感じでした。
娘のことはもちろん好きなのですが、素直にそう表現することができず、自分の中で「好き」と思うことを踏みとどまっているような感覚がありました。
「育てなければ」という思いが強かった
私にとって娘は、ちゃんと育てなければならない存在であるという気持ちが、とても強くありました。
最初の妊娠で流産を経験していたことや、娘を産んだ当時は「好きなことをするよりも、すべきことをする方が大事」という考え方が自分の中で強かったこともあり、愛でるよりもまず育てなければいけないと、自分に課していたのだと思います。
出産直後の昼夜問わず世話をしなければいけない状況の中、私にとって娘は何を置いても最優先で対応すべき存在になりました。
オムツ替え・授乳・抱っこなど、母親としてやるべきことをやってから好きなだけ愛でればいい。
やることをやらずに娘を愛でるのは、子どもより自分を優先している身勝手なことだ、と思っていました。
だから娘が「だいすき」と言ってくれても、母親として娘のためになるベストな回答をしなければ!と癖で考えてしまい、ただただ「私も大好き」と返事をしていたのです。
しかし娘が大きくなって会話ができるようになるにつれ、「好きな気持ちって計算で言うものなのだろうか?」と違和感を感じるようになりました。
好きな気持ちを大事にすることは、私自身を大事にすること
下の息子が産まれてからは、産後ケアの教室に通ったり、夫が育休を取得し家事育児を大人2人で回す体制を作ってくれたことで、次第に”母親”としてではなく、”1人の人間”としての自分を取り戻していきました。
「母親だから子どもを優先」という意識も少しずつ変わり、一時保育に預けてカフェでぼーっとするなど、自分を大事にするための時間を積極的に取るようになり、結果として育児にも楽な気持ちで臨めることが増えました。
そしてイラストの活動を始めてからは、没頭したり楽しく夢中で取り組むことで私自身が元気でいられることを実感し、目の前の家事などの「すべきこと」よりも「好きなこと」を大事にしたいと考えるようになりました。
「好きなこと」をより大事にしたいと思ったとき、「娘が好き」という気持ちもとても大事にしていいのだと気づき、それからは日常生活の中で自然に「好き」と口にできるようになりました。
母親になっても自分を大事にすることは身勝手なことではないし、たくさんの「すべきこと」がある分、自分の好きなことに敏感になり、本当に大事にしたいことに時間や心を使っていくことが、私の幸福感や人生の充実感につながっていくのだなと思います。