コラム

【歯科衛生士のコラム】第2回・虫歯になりにくいおやつのすすめ

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キャンディーやチョコレート、クッキー、アイスクリーム・・・。「子どものおやつ」と聞くと、そういった甘いお菓子類をイメージする方が多いと思います。しかし、これらを毎日食べることは、乳歯が虫歯になる原因に。

歯科衛生士・乃島みなみの連載第2回目は、「虫歯になりにくいおやつ」についてお伝えします。

◇乃島みなみ◇

地域の歯科クリニックに35年間勤務する歯科衛生士。

「自分の家族のように患者さんに接する」がモットー。

キャンディーやチョコレートが虫歯の原因になる理由

虫歯ができる原因については第1回目のコラムでも説明しましたが、簡単におさらいしましょう。

食事をした後やおやつを食べた後、お口の中では虫歯菌が糖を溶かして酸をつくります。これにより、口内のpH数が酸性に傾くことで歯が溶け虫歯が発生するのです。

甘いジュースやお菓子には、虫歯菌の動きを活性化させる「糖」がたくさん含まれるため、食べた後の口内は虫歯が発生しやすい環境になってしまいます。

「すぐに歯を磨けば大丈夫」「最後に水や麦茶を飲めば虫歯にならない」という考えは間違いです。歯の間にも目に見えない糖が入り込み、歯磨きや水を飲んだだけでは除去できません。

虫歯を予防するには、チョコレートやクッキーなど甘い菓子類をできるだけ食べないことが大切です。

しかしこれは「おやつを食べないこと」を推奨しているわけではありません。次の項では、幼児期のお子さんにおすすめの虫歯になりにくいおやつを紹介します。

どんなおやつを食べたらいいの?

幼児期の子どもたちにとってのおやつは、食事の栄養を補うための「捕食」と考えられています。消化器が小さく、著しい発育をするこの時期の子どもたちには、食事+αの栄養が必要なのです。そのため、本来のおやつは甘い菓子類ではなく、食事に近いものが望ましいとされています。

<歯科衛生士おすすめのおやつ>

・野菜スティック

・茹でたとうもろこし

・味噌おにぎり

・干し芋   など

これらは、砂糖を使用していなくても自然由来の甘みがある食べ物です。また、子どもが自分で手に持って食べやすいという良さもあります。

手作りおやつのすすめ

家庭で食べる幼児期のおやつとして、手作りおやつをおすすめします。クッキーや蒸しパンなど甘いおやつを食べたい時は、市販品を買うよりも家庭で作ったほうが健康的です。

市販品に比べて砂糖の量をコントロールしやすく、虫歯の発生リスクも軽減することができます。

また、食育の一環として家庭でクッキングをしてみるのはいかがでしょうか。自分で作ったものを食べることは、子どもにとって楽しい経験の一つです。

調理をする中で、おやつの中にどんな原料が含まれているのかを知り、健康な食事への関心を高める機会になるでしょう。

虫歯の原因になる甘いおやつ。時には「心の栄養」に。

甘いお菓子は虫歯の原因になりますが、成長期の子どもたちにとってそれは心の栄養になることを忘れてはいけません。

虫歯になるからと言って甘いお菓子を全面的に禁止してしまうことは、彼らの心の成長にとってマイナスになるのです。

家族で旅行に行った先でご当地の甘味を食べたり、

誕生日パーティーでケーキを食べたり。

そういった経験は、子どもたちが成長する上で大切な思い出となり、食事を介して他者とコミュニケーションを深めるきっかけにもなります。

日常的に与えることは推奨できませんが、特別な時に甘いお菓子を楽しく食べる時間は、ぜひ大切にしていただきたいと思います。

 

第3回目のテーマは、「歯医者嫌いにさせないために」です。お楽しみに!

 

(編集:佐藤愛美)

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