インタビューカフェ教育食育

こどもの未来を真剣に考えた体験型喫茶店「こそだて喫茶cotoca」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

北千住駅近くの賑やかな商店街から、路地裏を少し入ったところにある「こそだて喫茶cotoca」。

昔ながらの民家を改装した懐かしい雰囲気のお店は、子連れのお客さんでいつも賑わっています。

お店を切り盛りするのは、改田友子さんと昌寛さんご夫婦。

「私たちがcotocaを開業したきっかけは、娘の子育てなんです。知識も経験も0からスタートした子育てはとても不安で……。悩みながらも2人で色々な勉強を始めました。その時に知ったヒントを多くの人と共有できたらいいなと思って作ったお店がcotocaです」

実はこの喫茶店、店長の友子さんの生まれ育ったおじいさんの家。愛着のある場所を親子のための場所として作り変えたそうです。

友子さんに、cotocaへの思いを聞いてみました。

店主:改田 昌寛さん(左) 店長:改田 友子さん(右)

2018年4月にこそだて喫茶cotocaをオープン。昌寛さんは料理担当、友子さんはホール担当。体に優しい食事やスイーツを提供するほか、子育て関連講座や各種イベントを開催。店内にはモンテッソーリのおもちゃを設置し、子どもたちが遊びながらモンテッソーリ教育を体験できるようになっている。娘の結ちゃんは現在4歳。

こどもの主体性を育む「モンテッソーリ体験」ができるこそだて喫茶

喫茶店なのにお家のようなcotoca。

暖簾をくぐり靴を脱いで店内に入ると、ローテーブルで食事をしながらくつろげる広々としたスペースがありました。

店内を囲むようにおもちゃの棚が設置され、モンテッソーリの教具を始めとした様々なおもちゃが並んでいます。こちらでは、お子さんが自由に遊ぶことができるそうです。

▲「円柱さし」というモンテッソーリの教具。小さなつまみを指でつまんだり、穴にはめ込んだりして遊ぶ。

「cotocaでは、モンテッソーリの『全てのこどもは自らを成長・発達させる力を持って生まれてくる』という考えに基づき、子どもが自主的に遊べる環境を用意しています。集中して取り組み、達成感を味わい、もっとやりたいと好奇心を持つこと。

その一連の流れをcotocaの中で体験できるように、危険がない限りはお子さんが自由に動いて遊んでもらうのが一番だと思っています。キッチンに入っても、階段を登っても、私たちは『ダメ』を言いません」

▲使用している無農薬野菜は主に足立区産。土地のものを食べることができる。

提供している食事やスイーツは、すべて体のことを考えて作られたもの。有機栽培の野菜と玄米を使用しているので、小さなお子さんはもちろん、妊娠中や授乳中のお母さんも安心して口にしても安心。

「動物性たんぱく質やアレルギーの原因となりやすい食材や化学物質をなるべく使わず、親子で安心して召し上がっていただける安全なごはんを提供しています。家庭の献立に取り入れるのは難しいかもしれませんが、cotocaに来た時は一食だけでも体に負担がないものを食べてほしいなと思っています」

改田さんご夫婦は、cotocaを開業するにあたり夫婦で料理を習いに行き、現在のメニューを考案したそうです。

知識0からスタートした育児。娘のために学んだことを今に活かす

自身の子育て経験がきっかけとなってcotocaを開業したという改田さんご夫婦。モンテッソーリ教育や、無農薬野菜が中心の食事に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

「娘が生まれるまで、子育てのことは全く知らなかったんです。自分のまわりには小さな子どももいないのに、いきなりお母さんになって育児が始まって……最初はかなり戸惑いましたね(苦笑)。どうして良いのか分からず、夫と一緒に子育ての勉強を始めました。その時にたまたま出会ったのがモンテッソーリの教育でした。“子どもが生まれ持った力を伸ばす”という考え方が気に入って、育児の中で実践してみたんです。

主人とは結婚当初からカフェをやりたいねと話していて。どうせやるなら、自分たちが学んだことをベースに親子のためのカフェを作ろうか、と決まったんですよ」

▲友子さんお手製の絵カード。絵のモデルは娘の結ちゃん。

cotocaを訪れる親御さんたちに、自身の育児経験の中で得たヒントを提供できるように様々な工夫をしている友子さん。

「この絵カードも、娘のために私が作ったものです。こういったものをお店の中にさりげなく散りばめているので、『あ、いいな。うちでもやってみようかな』ってお母さんたちが興味を持ってくれたら嬉しいですね」

なかなか家庭で実現するのが難しい、無農薬野菜や動物性たんぱく質を使わない食事も、友子さんの育児中の経験がきっかけになっているのだそうです。

「子どもが生まれてからもそれほど食生活のことを気にしていなかったのですが、動物のホルモンの影響で乳性炎になりかけたことがあって。食べ物って本当に体に影響を与えるんだと痛感しました。

それがあって、お客さんに提供するなら妊婦さんや授乳中の方が食べても影響が出ないものにしようと決めました。食生活を変えるのは、何かきっかけがないと難しいことだと思います。cotocaで食事をして、こういう体に優しい料理があるということを知ってもらえたらいいなと思います」

子どもが自分自身で考え、行動する姿を見守ってほしい

子どもたちの主体性を育てたいと思いながらも、つい「やっちゃだめだよ」と行動を止めてしまったりしませんか? そんな難しさについて、友子さんはこう考えます。

「おもちゃの取り合いとか子ども同士のトラブルが起こった時に、お母さんが『やっちゃダメでしょ』とか『ごめんなさいしようね』とつい言ってしまうのも分かります。特に他の親子が一緒にいる場では社会性を身につける経験も大切ですからね。

でも、cotocaではできる限りお子さんの行動を制限せず、子ども自身が経験して学んでいく姿を見守ってほしいと思っています。怪我をしそうになったら大人が介入して止める必要はあるけれど、ちょっとしたトラブルは成長に繋がります。その子が持っているものがそのまま育つように、見守ることができる場所にしたいですね。もちろん私たちも一緒に見守っています」

やわらかく伝え、やわらかく受け止めてもらえる情報発信

「cotocaは、子どもたちへの日々の関わり方や、毎日の食事、そして子どもたちの未来と真剣に向き合うこそだて喫茶です。子どもたちは大人と違って自ら選べるものが少ないです。だから私たち大人が子どもの未来のことをしっかりと考え、食事や教育を選択していく責任があると思っています。

とは言え、やりたくてもなかなか実践できない。手間がかかるし、忙しいし……という親御さんたちの気持ちもよく分かるんです。無農薬野菜とか、教育方法とか、ちょっと敷居が高いイメージがあるかもしれませんね。お説教みたいに聞こえる人もいると思います。訪れた方にやわらかく受け止めていただけるように、やわらかい情報発信をしていくのが目標です」

子育て中にちょっと立ち止まってしまった時、北千住のcotocaに足を運んでみませんか。

食事をしながら子育てのヒントを持ち帰ることができる、楽しくてちょっと嬉しい喫茶店です。

 

【Information】

こそだて喫茶cotoca

住所:東京都足立区千住2-18

お問い合わせ:03-6320-2736

営業時間:9〜17時

日・月・祝日休み

アクセス:「北千住」駅 西口徒歩7分

HP https://cotoca-senju.jp/

 

*キッズ利用料金*

0歳6カ月以上のお子様の遊び場ご利用料は2時間500円(税別)

※2時間以上は30分毎に250円の延長料金(税別)

※お2人目から半額

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

CAPTCHA