「体に良いものを食べよう」「健康的な食生活を心掛けよう」
……自分が30代になってから食生活について少しだけ意識するようになったものの、情報が多すぎて、何を選んだらよいか迷っている編集長の佐藤です。
食べることは、健康だけでなく美容や情緒の安定にも結びついています。
特に小さなお子さんを育てている方や、これから妊娠・出産を希望する女性にとって“食”は必ず直面するテーマではないでしょうか。
今回は、安心で美味しいオーガニック食材の宅配を手掛ける「ビオ・マルシェ」のワークショップにお邪魔し、アーユルヴェーダの健康と食の考え方について学んできました。
ワークショップでは、アーユルヴェーダ料理に「ビオ・マルシェの宅配」の有機野菜を使用。アーユルヴェーダ料理研究科のハラダマリさんの手によって、スパイスの効いた美味しい料理に生まれ変わります。今回は特別に、ハラダさんのレシピも提供していただきました!
アーユルヴェーダについて学ぼう
「アーユルヴェーダ」━━言葉は聞いたことはあるけれど、具体的にどんなことを意味しているのか分からないままワークショップに参加しました。
参加者の中には、小さなお子さんを抱っこしながら参加されたお母さんや、高校生の娘さんの食欲がなくて困っているという方も。このワークショップで、どんなヒントを得られるでしょうか?
アーユルヴェーダについて教えてくれるのは、世田谷区のBe born助産院で働く高橋美香(たかはしみか)さん。アーユルヴェーダを取り入れた妊産婦ケアを行うBe born助産院で、食事づくりやベビーマッサージ教室を担当しています。助産院でたくさんの女性たちに寄り添ってきた経験をもとに、今回は“自分らしい暮らしの整え方”についてお話してくれました。
高橋さん「アーユルヴェーダとは、一言で表現するなら『生きる知恵』です。死ぬまで健康に暮らすためのヒントが示されています。インドで発祥した世界最古の伝統医学、と説明すると難しいイメージがあるかもしれませんが、日本でも昔から行われてきたことがたくさん含まれているんですよ。医療は医師にしかできないけれど、アーユルヴェーダは家庭でお母さんたちが自分の手で実践できる良さがあります。私も我が子を産んでアーユルヴェーダに出会い、とても楽になったんです」
自分のドーシャ(体質)を知ろう
アーユルヴェーダでは、私たちの体質の決め手となる性質を「ドーシャ」と呼んでいます。私たちの体の中には「ヴァータ(VATA)」「ピッタ(PITTA)」「カパ(KAPHA)」という3つのドーシャが働いており、バランスがとれている時が健康、崩れた時が病気とされています。
今回のワークショップでは、自分の体質を見つめ直すワークからスタートします。
空+風の性質・ヴァータ(VATA)
性質
皮膚や髪が乾燥しやすい、お腹にガスがたまりやすい、活動的、感情的 etc…
増加すると出る症状
冷え性、めまい、不安感、神経痛、口の中に渋みを感じる etc…
増やす要因
夜更かし、辛味や渋みの食べ過ぎ、食事を抜く、興奮しすぎ、寒さ、雨 etc…
鎮静するもの
温かい飲食物、ごま油でオイルマッサージ、ナッツ類を食べる、ぬるめの長風呂、甘味・酸味・塩味 etc…
火+水の性質・ピッタ(PITTA)
性質
皮膚や髪に艶がある、強い主張、神経質、体に熱がたまりやすい、痩せる、汗かき etc…
増加すると出る症状
胃潰瘍、皮膚炎、発熱、空腹、喉の渇き、下痢、イライラする、口の中に酸味を感じる etc…
増やす要因
疲労、辛味、酒、長時間の空腹、怒り、暑さ etc…
鎮静するもの
甘味のある果物、花やお香の香り、優しい音楽、月の光 etc…
水+土の性質・カパ(KAPHA)
性質
皮膚が湿っていて冷たい、太る、怠惰、動作が遅い、体力がある、溜め込む性質
増加すると出る症状
体重が増える、冷えとむくみ、だるさ、無気力、消化不良、呼吸器疾患、口の中に粘り気や甘味、塩味 etc…
増やす要因
昼寝、食べ過ぎ、甘味、運動不足、寒さ、春 etc…
鎮静するもの
温かいもの・乾燥したものを食べる、運動する、ドライマッサージ、蜂蜜をとる etc…
3つのドーシャの特徴を見て、「自分は◯◯タイプかも?」と感じる方もいると思います。
人は一人ひとり生まれ持った体質があり、それは一生変わらないというのがアーユルヴェーダの考え方。そして、3つのドーシャが完璧なバランスを保っている人はいません。年齢や季節、ライフステージによってドーシャのバランスは絶妙に揺らいでいるのです。
では、心と体の健康を保ち自分らしい暮らしを整えるためには、どうしたら良いのでしょう。
アーユルヴェーダのセルフケア・セサミオイルでマッサージをしよう
マッサージをすると、活発になったエネルギーを鎮め、心を穏やかにすることができます。マッサージに使用するのはセサミオイルとターメリック(ウコン)のブレンドオイル。高橋さんのお手本を見ながら、参加者同士でアーユルヴェーダのマッサージを実践してみます。
これは、家族同士やお子さんにも日常的に行うことができそうですね。
インドではオイルを使って赤ちゃんをマッサージするのはごく当たり前のことだそうです。沐浴をする感覚でオイルマッサージをしているのだとか。オイルを使って心地良く皮膚を刺激することにより、心身のバランスが整っていきます。
家庭でできるアーユルヴェーダ
暮らしの中に取り入れることができるアーユルヴェーダの知恵を2つ、高橋さんに教えてもらいました!
<1>焼きみかんを食べる
冬はみかんが美味しい季節ですが、生の果物は体を冷やします。そのため、できれば火を通してから食べましょう。トースターで皮ごとみかんを焼いて食べると風邪の予防にもなりますよ!10分ほど焼けばOK。
<2>3つの性質に合わせた生活リズムを整える
それぞれの性質が活性化する時間帯があります。「今は◯◯の時間だ」と知ることで、性質に合わせて行動を考えるヒントになるはずです。
2時〜6時・・・ヴァータの時間:夜から朝へ変動する。6時までに起きると寝起きが良い。
6時〜10時・・・カパの時間:体が冷える。温かいものをとり、体を動かすと良い。
10時〜14時・・・ピッタの時間:消化力が高い時間。活動的になる。
14時〜18時・・・ヴァータの時間:体が疲れる。18時以降のカパの時間までに夕飯を食べると良い。
18時〜22時・・・カパの時間:夕食は消化の良いものを。寝る3時間前までに済ませる。小さな子どもがいる家庭は22時までに就寝する。
22時〜2時・・・ピッタの時間:昼に食べたものを代謝する時間。体を休ませる。
スパイスの香りが食欲を増進。アーユルヴェーダ料理を食べよう
アーユルヴェーダの基本を学んだところで、次はアーユルヴェーダ料理を食べてみましょう。料理を作ってくれたのは、スパイス・アーユルヴェーダ料理研究科のハラダマリさん。彼女は料理教室「アンナプルナ食堂」を主宰し、家庭で作ることができるスパイス料理のレシピを考案しています。
ハラダさん「たくさんの種類のスパイスを揃えるのは大変!だから私の料理は少ない種類のスパイスを使って短時間で作ることができるのが特徴なんです。家庭でも作ることができるレシピを考えています」
この日のメニュー
- 有機大根ダール(消化の良い緑豆を使った、大根入りの豆カレー)
- 有機ブロッコリーのオイル和え
- 有機白ねぎのサブジ
- 有機にんじんのサラダ
- 有機小かぶの炊き込みご飯
- 有機さつまいもとリンゴのデザート
料理に使用しているのは、ビオ・マルシェの有機野菜。また、参加者の中に授乳中の方がいたため、辛味のスパイスはブラックペッパーのみ使用したとのこと。
アーユルヴェーダでは、甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味の6つの味すべて食べることが推奨されています。
今回は特別に、メニューの1つ「かぶの炊き込みご飯」のレシピをハラダさんに提供していただきました!
【かぶの炊き込みご飯】
☆材料(4人分)
☆作り方①全ての材料を炊飯器に入れ、炊く ②かぶが崩れないように軽く混ぜる |
※ギーとは:無塩バターから水分・たんぱく質などを取り除いた100%純粋な乳脂肪分のこと。アーユルヴェーダでは、お料理以外にもホームケアなどで使われる万能オイルとして活用されています。インドでは、どの家庭にも常備されていて、最も純粋なオイルとして長い歴史があります。
(ギーの作り方はこちらをご参照ください)
ワークショップを終えて・・・
料理を囲みながら、今回のワークショップの感想を語り合う参加者の方々。「アーユルヴェーダは前から知っていたけど、自分の体質をはっきりと分類してしまうことに違和感があった。でも今回のワークショップを通して、自分は色んな性質に当てはまることに気づきました」という感想も。
二人の講師の方からもコメントをいただきました。
高橋さん「育児の世界は情報過多で、すべて鵜呑みにしていてはお母さんが疲れてしまいます。色々な手法が発表されているけれど、アーユルヴェーダは人が生まれ持った体質に合わせてアプローチを変えていける良さがあります。自分や我が子の体質を知ることで、育児が楽になると思うんです。時間や季節にも質があり、そのリズムに上手にのることで育児もラクになり、子どもは“勝手に育つ”ことを実感するようになると思っています。私はアーユルヴェーダの考え方が自分の育児と合っていたので、心身を大切にする方法として女性たちに勧めていきたいと考えています」
ハラダさん「自分はこういうタイプだ、と決めつけてしまうと本質が見えなくなってしまうので、決めつけないことが大事かなと思います。また、アーユルヴェーダは東洋発祥のものですが、西洋医学にも良いところはあります。それぞれの良いところを取り入れて、自分らしい暮らしをするのが理想だと思います」
新鮮な野菜をたっぷりと使ったアーユルヴェーダ料理は、お腹いっぱい食べたのに消化が早く、体の中がスッキリしたような気がします。
自分の体質を知り、それに合った食べ物を口にすることの大切さを体感したワークショップでした。
ビオ・マルシェでは今後も様々なイベントを開催する予定だそうです。
美味しいだけでなく、楽しくて、食事に詳しくなれる催し。ぜひ今後も参加してみたいです。
ビオ・マルシェの宅配とは?
「安心で美味しいオーガニックを、特別な人だけでなく、求めるすべての人に届けたい」という思いのもと、有機野菜やオーガニック食品を自宅まで届けてくれるサービス「ビオ・マルシェの宅配」。
株式会社ビオ・マーケットが展開するこの事業は、有機野菜、お肉や卵、調味料など安全で美味しい食材が週に1回の頻度で届く会員制宅配サービスです。
取り扱う食材には、有機JASで許容された食品添加物以外や遺伝子組み換え食品は一切使っていないので、赤ちゃんの離乳食にも安心して使えます。
全国におよそ300件の契約農家があり、旬な野菜が新鮮な状態で私たちの自宅まで届く・・・という仕組みです。
しかしながら日本は欧米と違い、オーガニック食品が人々の生活に浸透していないのが現実。
大切な家族が毎日食べるものだからこそ、安心・安全な食材を選びたいものですが、価格がネックになったり、オーガニック食品のイメージが漠然としているためか価値を理解してもらいにくいという課題があります。
ビオ・マルシェはより多くの人にオーガニック食材の魅力を広めるべく、稲刈りや収穫体験ができる畑イベント、有機野菜を使用した料理教室、有機野菜やオーガニック食材を販売するマルシェなどを定期開催しています。
最新の情報はこちらをチェック!
KanokoのSNSでも随時お知らせしていきます。
有機野菜を食べてみたい方へ
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「まずは味見だけしてみたい」という方も歓迎だそうです。
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