「子どもが生まれてから、二人きりで食事にいく時間もなかった。それどころか、夫婦でゆっくり会話をすることも忘れていた」
5月27日、愛知県名古屋市の名城大学で「家族の絆レストラン」というイベントが開催されました。
当日の様子を、参加者の皆さんの声を交えながらレポートします!
家族の絆を深める3つのプログラムを体験
「家族の絆レストラン」を主催しているのは、名古屋市で子育て支援事業を営むNPO法人まめっこ。平成30年で設立26年目を迎え、子育てファミリーだけにとどまらず、地域の多くの人々から親しまれています。
このイベントは2012年に「パパレストラン」という名前でスタート。パパ(夫)の手料理を食べながら、ママ(妻)への日頃の感謝の気持ちを伝えるというコンセプトは参加者たちからも大好評のようです。
第15回目の開催となる今回は初の企業協賛もあり、ますます注目を集めています。
気になる内容は……
- パパによるクッキング
- 夫婦だけのランチタイム
- 参加者同士の相互子育て体験
参加者が体験する3つのプログラムは、家族の絆がより深まるように、まめっこの職員たちによって熟考されたもの。参加者たちは2グループに分かれ、夫婦二人きりのクッキング&ランチタイムと我が子と一緒に他の家庭の子どもたちと遊ぶ相互子育てを交代で体験します。
それでは、各会場の様子を見ていきましょう♪
パパによるクッキング&夫婦二人きりのランチタイム
普段はキッチンに立たないし、フライパンに触るのも久しぶり……。
そんなパパたちが、今日は腕を振るいます。
今回のクッキング会場は名城大学ナゴヤドーム前キャンパス内のMU GARDEN TERRACE (ムーガーデンテラス)。大学内の施設であるにもかかわらず、本格的なイタリアンを楽しむことができるレストランです。二人のデートにもぴったりのムードたっぷりのお店です。
パパたちに料理を教えてくれるのは、なんとレストランのシェフ。今回はイタリアンの顔とも言える本格的なトマトパスタ作りを体験します。
シェフの指導のもと、ちょっと緊張した面持ちでパスタソースを作るパパたち……。パパの貴重なエプロン姿を写真に残そうと、ママたちはスマホを構えます。
実はクッキングタイムには3つのミッションが用意されています。
お互いの手を握り合い「作ってくれた料理の感想」「お互いのよいところ3つ」「お互いへの感謝の気持ち」を伝え合うこと。
パパが作ってくれたパスタを含めた美味しいランチコースを味わいながら、この時間だけは子育て以外の話をしてもらいましょう。
最初は恥ずかしそうにしていた参加者たちも、「今日はありがとう」「普段なかなか二人でゆっくりできないけれど……」とお互いへの想いを伝え始めました。
参加者のパパからは、「いつも料理を作ってくれる妻にありがたみを感じた」という感想も。
子どもがいない、二人きりの空間。いつもの賑やかな食卓も楽しいけれど、
この時間だけは、まるで新婚時代に戻ったかのようです。
「我が子以外」と触れ合ってみる、相互子育て体験
パパとママがいいムードになっている時、子どもたちはどこにいるのかというと……もう一方のチームのパパとママが、我が子と同じように他の家庭の子と遊ぶ「相互子育て体験」に挑戦中。
自分のパパ・ママがレストランに行ってしまい泣いている子もいましたが、フロア内には保育のプロであるまめっこの職員がいるので安心。気持ちが落ち着くまで抱っこしたり、好きな遊びを一緒に探したり……。お子さんたちも次第に慣れ始め、のびのびと遊び始めました。
我が子としか関わったことがないから、どうやって遊んだらいいか分からない……。そんなパパ・ママたちのところに、「あそんで〜」と積極的に歩み寄っていくお子さんもいましたよ。
パパ同士の交流の場にもなっているようです。
「ママ同士ってよく遊びに行ったりするけど、パパ同士てってあんまり関わりがないから……。わ〜、うちの子もこんな小さい時あったな〜!懐かしい……」
他のおうちの赤ちゃんを抱っこして、数年前のことを懐かしむ方もいれば「あと2年後はこんなに喋って走るんですね!」と我が子の未来を想像する方も。
過去にも「家族の絆レストラン」に参加したことのあるパパは、相互子育てもお手のもの。我が子でなくても上手に寝かしつけ、「さすが!」と拍手が起こりました。
他の家庭のパパ・ママの子育てを見ることで、自身の子育ての参考になった方もいるようです。我が子がイヤイヤ期で悩んでいたけど、もう少し気楽に構えていいんだと胸を撫で下ろすママの姿も。
パパによる読み聞かせタイムスタート。
続きが気になって前に歩みだすお子さんもいるほど!大成功です。
パパ、ママおかえり!
約1時間の相互子育て体験が終了しました。レストランから帰ってきた二人を見つけてホッした表情ですね。
「泣いてなかった?誰に遊んでもらったの?」離れている間、我が子がどんなふうに過ごしていたのかパパとママのほうが興味津々でした。
今後は社内企画として取り入れることも期待
3つのプログラムを終えた後は、一組ずつ感想を発表。
「夫婦だけでこんなにゆっくり食事をできたのは久しぶりだった」
「今日習った料理を家でも作ってみたい」
「他のうちの子を見て、改めて我が子の成長を感じた」
などなど、様々な声が聞こえてきました。
スケジュールを発表すると、すぐに予約でいっぱいになってしまうという「家族の絆レストラン」。今後はどのような展開をしていくのでしょうか。
今回の協賛企業である河村電器産業株式会社の牧さんにもお話を聞いてみました。
河村電器産業株式会社 広報室 広報課 牧 幸佑さん
「弊社では子育て支援に関する様々な取り組みを行っています。社員の子どもが就学前まで取得できる時短制度や、配偶者の出産休暇制度を設けており、育休後の復職率も90%を越えています。男性社員も育休を取得しやすく、性別やライフステージに関係なく働きやすい会社を目指しています。
今後、『家族の絆レストラン』を社内の企画として取り入れるのもいいですね。社員の家族同士が交流することで、お互いの家族への理解が深めることができるのではないかと期待しています」
自分の家族と、他者の家族。お互いを理解する場所
家庭から一歩外に出て、夫婦で会話をしてみたり、子育てをしてみたり。そんなちょっと特別な体験ができるのが「家族の絆レストラン」です。
「うちはうち、よそはよそ」という言葉がありますが、その垣根を取り払うことで、新たな発見があるかもしれません。そして、パートナーの新たな魅力や子育てのヒントに気づくきっかけにもなるのではないでしょうか。
「家族の絆レストラン」の詳細についてはこちらをご覧ください。